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2025/06/30

ビルメンテナンスに必要な資格は?仕事内容や資格の取得方法

ビルメンテナンスに必要な資格は?仕事内容や資格の取得方法

ビルメンテナンスの仕事は、建物を安全で快適な状態に保つために、さまざまな管理を行うことです。例えば、設備の点検や修理、清掃、警備などを通じて、建物を使う人たちが安心して過ごせるようにします。
ただ、「どんな資格が必要なの?」「具体的にどんな仕事をするの?」と疑問に思っている方も多いかもしれません。

この記事では、ビルメンテナンスの仕事内容や、必要な資格の種類や取り方まで、初めての方にもわかりやすく解説していきます。

ビルメンテナンスとは

ビルメンテナンスとは

ビルメンテナンスの仕事には、いろいろな業務があります。持っている資格によって、できる仕事の範囲が広がるのも特徴です。
具体的には、次のような仕事を行います。

・空調設備のフィルター交換や、冷媒(れいばい)と呼ばれる冷やすガスのチェック
・電気設備の点検
・給水・排水設備の点検や、水質の検査
・エレベーターの点検
・建物内の清掃
・防犯や火災などのトラブルに備えた巡回・監視

その他にも、建築基準法や消防法に沿って定期的な報告書を作成したり、建物の改修工事の計画を立てたり、業者との調整を行ったりすることもあります。
また、突然の機器トラブルや自然災害に対応する場面もあるため、知識や経験も大切になる仕事です。

ビルメンテナンスの資格はどれから取得すべき?

ビルメンテナンスに関する資格はたくさんありますが、やみくもに取ればいいというものではありません。しっかり評価され、キャリアアップにつながる資格を、優先的に選ぶことが大切です。
ここでは、未経験からベテランまで、それぞれの段階でおすすめの資格を「難易度別」に紹介します。

「ビルメン4点セット」難易度★

ビルメン4点セットは、電気、冷凍、ボイラー、危険物の基礎的な4つの資格を指します。ビルメン4点セットは、ビルメン業界へ転職を希望する未経験者や、正社員登用を目指す方が最初に取得すべき資格です。
具体的な資格は以下の4つです。

・第二種電気工事士:600V以下の低圧電気設備工事に関わる資格
・第三種冷凍機械責任者:冷凍機器の設備管理・保安に関わる資格
・二級ボイラー技士:ボイラーの操作と保守管理に関わる資格
・危険物取扱者乙種4類:燃焼性の高い危険物の取り扱いに関わる資格
詳しくは、表をご覧ください。

ビルメンテ4点セットの各資格と概要

ビルメン4点セットの資格を取得すると、資格がなければ携われなかった業務を担えるようになります。

また、正社員登用や昇格時の評価アップ、資格手当(月数百~数千円)による年収アップも期待できます。

「ビルメン5点セット」難易度★★

ビルメン5点セットは、ビルメン4点セットの資格に、消防設備士乙種4類が加わった資格です。
消防法では、延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物(建築物)など一定の規模を超える建物において、半年ごとの消防設備点検が義務づけ られています。この点検には資格が必要なため、消防設備士の資格があると活躍の場が広がります。

消防設備士乙種4類でできる仕事には、以下のようなものがあります。
・自動火災報知設備の点検・保守
・ガス漏れ火災警報設備の点検・保守
・火災通報装置の点検
・消防設備に関する指導・教育

ビルメン5点セットを取得すると、ビルメンテナンス会社や設備管理の現場での就職が有利になるメリットもあります。月数千円の資格手当を支給している企業も多いため、収入アップも期待できるでしょう。

「ビルメン3種の神器」難易度★★★

ビルメン3種の神器は、第三種電気主任技術者(電験三種)、建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)、エネルギー管理士(エネ管)の3つの国家資格を指します。試験では高度な知識が問われ、設備管理の経験がないと受験できない資格も含まれているため、ベテラン向けの資格です。

各資格の受験条件と概要について、以下の表にまとめました。

ビルメンテ3種の神器の受験資格と概要

ビルメン3種の神器を取得すると、取得難易度が高いため技術力や専門性の証明となり、キャリアアップにつながりやすかったり、年収が100万円以上アップするケースもあります。さらに、独占業務や必置資格としても重宝され、転職市場でもかなり有利です。

ビルメンテナンスの試験の合格率

ビルメンテナンスの試験の合格率

ビルメンテナンスに関する主な資格試験の合格率は以下の通りです。
・第二種電気工事士: 約70%
・第三種冷凍機械責任者:約44%
・二級ボイラー技士:約54%
・危険物取扱者乙種4類:約32%
・消防設備士乙種4類:約35%
・第三種電気主任技術者(電験三種):約16%
・建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士):約23%
・エネルギー管理士(エネ管):約37%

この中では、電気工事士とボイラー技士の合格率が高めですが、それ以外の資格は合格率がやや低めです。特に、電験三種やビル管理士などの上級資格は難関といえるでしょう。
そのため、しっかりとした勉強と、場合によっては実務経験に基づいた理解が必要です。

ビルメンテナンスの資格の勉強方法

ビルメンテナンスの資格の勉強方法

ビルメンテナンス関連の試験では、過去に出題された問題と似た問題が出ることが多いため、過去問題を繰り返し解くのがとても効果的です。また、空調や給排水など、実際の機器や設備をイメージしにくい分野は、実務経験を振り返ることで理解が深まりやすくなります。

とくにおすすめなのは、次のような学習スタイルです。
・過去問題集で繰り返し演習
・苦手分野をリストアップして重点的に学習
・動画講座を使って、スキマ時間にスマホで学習
・通信講座なども活用し、計画的に勉強を進める

ビルメンテナンスの資格は幅広く、内容も専門的です。無理なく続けられるよう、自分の生活スタイルに合った勉強方法を見つけて取り組むことが合格への近道です。

ビルメンテナンスの年収はどのくらい?

ビルメンテナンスの年収

ビルメンテナンスの年収は、持っている資格によって大きく変わります。

例えば、
・無資格の方の平均年収は約250万円
・資格を持っていると300万円〜500万円以上も可能
と言われており、年収アップには資格の取得がカギになります。

とくにおすすめなのは、複数の資格を取得して「資格手当」を増やす方法です。手当の金額は会社によって異なりますが、1つの資格で月に数百円~数千円の手当がもらえることもあります。

ビルメン4点セット・5点セットの手当は比較的少なめですが、ビルメン3種の神器まで取得すれば、手当が月に数千円~1万円になるケースも。さらに、選任されることで年収が100万円以上アップすることも珍しくありません。
スキルアップと収入アップを両立できるのが、ビルメン資格の魅力と言えるでしょう。

資格によって広がるビルメンテナンスの仕事の幅

ビルメンテナンスは、建物の安全性や快適性を守るための、なくてはならない仕事です。そして、この仕事は持っている資格の数や種類によって、担当できる業務の幅が変わってきます。もちろん、仕事の幅が広がれば収入アップにもつながります。

興味がある方は、まずは「ビルメン4点セット」の取得を目指してみましょう。基礎的な資格から始めれば、未経験からでもステップアップが可能です。
資格を取ってスキルを身につけ、安定したキャリアや収入を手に入れたい方には、ビルメンテナンスは非常におすすめの職種です。

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この記事の執筆者

建設人材バンク編集部
建設、設備業界専門の転職エージェントサービス「建設人材バンク」の編集部です。建設、設備業界の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。
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