2025/06/27
建築関係の仕事をしたい!どんな職業がある?

建築関係の仕事にはさまざまな種類があります。職種ごとに仕事内容や働き方は大きく異なるため、自分に合った職業を見つけるには、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。
この記事では、建物が企画されてから完成するまでの流れに沿って、関わる職種をジャンル別にご紹介します。平均年収も合わせて紹介しているので、転職を考えている方は今の収入と比較しながら参考にしてみてください。
最後まで読むことで、建築業界の仕事の種類や全体の流れ、そして向いている人の特徴まで、しっかりと理解できる内容になっています。
建築関係の仕事の種類はどのくらいある?

建築関係の仕事は、大きく分けて次の3種類があります。
・建物の企画や設計
・図面や模型の作成
・建物の施工
今回は、この中から代表的な職種をピックアップして、それぞれの仕事内容・特徴・向いている人・平均年収をご紹介します。
転職を考えている方は、今の仕事内容や働き方と照らし合わせながら、自分に合う職種を見つけるヒントにしてみてください。
建物の企画や設計に関わる仕事

まず1つ目は、建物の企画や設計に携わる仕事です。
建物を建てると決まった段階で、「どのような用途で」「どんな形の建物を」「どこに」「どのくらいの期間で」建てるのかを計画し、形にしていく役割を担います。
代表的な職種には、建築士とインテリアコーディネーターがあります。
依頼主の要望を正確に読み取り、予算とスケジュールを踏まえながら理想の建物を実現するためには、逆算して考える力が重要です。
その他にも、コミュニケーション能力、営業スキル、建築・インテリアの専門知識が求められる職種です。それぞれの仕事内容と特徴について詳しく見ていきましょう。
建築士
建築士の仕事内容は多岐に渡ります。
・設計
・工事監理
・行政とのやりとり
・土地の調査や診断、調査鑑定
・環境性能評価
・契約書作成
建築士は、建物づくりの“はじめの一歩”を担う重要な存在です。
依頼主の希望を聞き取り、どのような建物にするかを設計に落とし込んでいくため、プロジェクトの方向性を決めるポジションともいえます。
この仕事は国家資格が必須で、「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」などがあります。
大学などで建築の専門知識を学んだあと、実務経験を積みながら資格を取得し、企業に就職するのが一般的な流れです。
平均年収は632万8,000円(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)で、他の職種と比べて比較的高めの水準となっています。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターの仕事は、建物の内装をトータルでプロデュースすることです。住宅・オフィス・病院・学校・店舗など、さまざまな施設が対象となります。
依頼主と相談しながら、利用者が快適に過ごせる空間づくりを提案していく仕事で、ヒアリング力と提案力が求められます。
例えば、壁紙や床材ひとつでも、数多くの選択肢があるため、素材や色の知識に加えて、組み合わせのアイデアも重要です。
近年では、3DパースやVRを活用して完成イメージを共有する場面も増えており、デジタルツールに強い人も重宝されます。
平均年収は509万3,000円(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」) 。学校で学んでから就業する人もいれば、未経験から企業に入り、現場で経験を積みながらスキルを身につけていく人も多くいます。
図面や模型の作成に関わる仕事

2つ目は、図面や模型を作成する工程に携わる仕事です。
建築士やインテリアコーディネーターによって建物の大枠が決まった後、それを具体的な形に落とし込むために、詳細な設計図や模型を作成していきます。
この工程には、CADオペレーターや建築積算技術者が関わります。
企業によってはこれらの業務を1人で兼任していたり、複数のスキルを持った人が幅広く担当している場合もあります。
図面作成には、要望を正確に形にする力、丁寧なヒアリング力(傾聴力)、スケジュールを管理する力が求められます。それぞれの職種の特徴を見ていきましょう。
CADオペレーター
CADオペレーターは、専用のソフトウェアを使って「ものづくり」をサポートする技術職です。2DCAD(平面図)や3DCAD(立体図)を用いて、建物の完成予想図を正確に作成します。
作成した図面をもとに、材料費や工事費を見積もることもあるため、スピードと正確性の両立が求められます。依頼内容を正しく読み取り、立体的にイメージしながら図面に落とし込んでいくスキルが必要です。
平均年収は452万円(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)です。
高校や専門学校、大学などでCAD技術を学んだ後に就職する人もいれば、技術者派遣として現場で経験を積みながらスキルを身につけていく人も多くいます。
建築積算技術者
建築積算技術者は、工事費用を算出するオフィス系の仕事です。
「建築」「技術者」と聞くと現場での作業を想像するかもしれませんが、実際にはデスクワークがメインとなります。
公共工事の入札や民間工事の見積もりのために、施工にかかるコストを細かく積算し、適正な利益を確保するための価格を提示する重要な役割を担います。
建築の現場では、新築だけでなく修繕・改修など多種多様な工事が行われます。そのすべてに対応するために、材料の種類・費用・数量などを正確に把握しながら積算を行う知識と経験が必要です。
平均年収は426万円(出典:パーソルキャリア株式会社「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」)ですが、企業規模やスキル・経験年数によっては、年収1,000万円超えを目指すことも可能です。
建物の施工に関わる仕事

3つ目は、建物の施工に携わる仕事です。
どんな建物をどこに、どんな形で建てるかが決まったら、いよいよ工事が始まります。施工の現場では、施工管理者が全体の進行を監督し、その指示のもと作業員たちが実際の建築作業を進めていきます。
土砂を運んだり掘削したりといった手作業のほか、パワーショベルやブルドーザーなど重機を使った工事も多くあります。
「建物が形になっていく過程を自分の手で支えたい」という方や、体を動かしながら働きたい人にはぴったりの分野です。
施工管理
施工管理は、工事の全体をマネジメントする仕事です。
作業員に的確な指示を出したり、進行スケジュールに遅れが出ないよう管理したりと、現場を支える司令塔のような役割を担います。
施工管理は「建築」「設備」「土木」などの分野に分かれ、それぞれの現場に特化して働くことが一般的です。
工事には多くの業者や職人が関わるため、円滑な人間関係を築くコミュニケーション力も重要です。中には自分よりも年上・経験豊富な作業員に指示を出す場面もあるため、相手に合わせた柔軟な対応力も求められます。
平均年収は632万8,000円(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)。
平均年齢は43歳で、作業員として現場経験を積んでからキャリアアップする人や、異業種からの未経験転職者も増えています。
工事作業員
工事作業員は、現場で実際に手を動かして作業を行う職種で、土木作業員と建築作業員に分けられます。施工の内容に応じて必要な人数が集められ、基本的には複数人で協力しながら作業を進めるスタイルです。
最近では、作業負担を軽減するために重機や専用機械の導入が進んでおり、入社後に操作資格を取得して働く人も増えています。
施工管理から「今日どこまで進めるか」といった目標(ノルマ)が伝えられ、作業員はその目標に沿って、安全に確実に作業を進めていきます。
平均年収は411万1,000円(出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」)。
ただし近年は作業員の高齢化や離職率の高さが課題となっており、比較的チャレンジしやすい職種でもあります。
建築業界の現状
みなさんは「建築業界の2025年問題」をご存じでしょうか?
これは、建築業界で深刻化する人手不足と高齢化の問題を指します。
とくに、1947〜49年生まれの「団塊の世代」が2025年に75歳を迎え、大量退職することで、さらに人手が足りなくなるといわれています。
建設現場では、危険を伴う作業も多く、いまだに長時間労働が続いている企業も少なくありません。
こうした労働環境や、いわゆる「3K(キツイ・汚い・危険)」といった業界のイメージが、若い世代から敬遠される原因になっているのです。
また、人手不足だけでなく、熟練職人の技術継承ができていないという課題もあります。
マニュアルだけでは伝えきれない“職人技”が多く存在し、現場での経験を積み重ねてこそ身につく技術も少なくありません。これらが引き継がれないまま失われてしまうことが懸念されています。
建築関係の仕事が向いている人

建築関係の仕事に向いているのは以下の人です。
・モノづくりが好きな人
・協調性がある人
・細かいところに気がつく・注意深い人
・スケジュール管理が得意な人
・体力やメンタルのタフさに自信がある人
・建物が出来上がっていく過程にワクワクする人
もちろん、これらすべてを最初から持っている必要はありません。
仕事を通して、徐々に身につけていけるスキルもたくさんあります。
「ちょっと気になるかも」と思った職種があれば、まずは情報収集からでもOKです。
建築業界には、やりがいや達成感を感じられる仕事が多くあります。ぜひ前向きにチャレンジしてみてください。
建築関係の仕事の魅力

建築関係の仕事の一番の魅力は、自分が関わった建物やインフラが「かたち」として残ることです。しかも、一人ではなくチームやプロジェクト単位で動く仕事が多いため、完成したときの達成感はひとしお。それまでの苦労が報われる瞬間でもあります。
建築士のようにプロジェクトの初期段階から関わる職種もあれば、実際に建物をつくる作業員など、さまざまな立場のプロが協力して一つの建物をつくりあげていくのが、この仕事の魅力です。
また、上流工程に関わる職種ほどスケールの大きな案件に携われるチャンスも増えていきます。大規模施設や都市計画などに関わる仕事がしたい方は、専門的な資格取得を目指してみるのもおすすめです。
建築業界の中で自分にピッタリの職種を探そう
建築関係の仕事は、大きく分けて以下の3つのジャンルがあります。
・建物の企画や設計に関わる仕事
・図面や模型の作成に関わる仕事
・建物の施工に関わる仕事
職種によって平均年収はさまざまですが、作業員なら約411万円、施工管理なら約632万円が目安です。一級建築士や建築積算技術者などの専門性が高い職種になれば、年収1,000万円超えも夢ではありません。
「建築の仕事にちょっと興味があるかも」「今の仕事よりやりがいを感じられるかも」と思った方は、まずは情報収集から始めてみましょう。
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