2025/06/19
電気工事施工管理技士とは?受験資格や資格取得のメリット・難易度を解説!

「電気工事施工管理技士」は、施工管理技士の資格の1つで、建築現場などで電気工事の技術者として重要な役割を担う資格です。しかし、資格の取得方法やその役割について詳しく知っている方は少ないかもしれません。
この記事では、電気工事施工管理技士の仕事内容、受験資格、資格取得のメリットについて、わかりやすく解説していきます。電気工事分野に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
・施工管理技士の仕事について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
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電気工事施工管理技士とは

電気工事施工管理技士は、電気工事の品質、安全、工程を管理する国家資格です。資格は1級と2級に分かれ、1級は大規模工事(特定建設業)の監理技術者、2級は一般建設業の主任技術者として活躍できます。
建設業法により、特定の作業には「専任技術者」や「監理技術者」が必要です。電気工事の場合、電気工事施工管理技士が必ず現場にいなければなりません。そのため、企業はこの資格を持つ人材を常に必要としており、高い需要があります。
1級電気工事施工管理技士とは
1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、大規模工事現場で監理技術者としてプロジェクト全体を統括できます。1級は、請負総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合7,000万円以上)の特定建設業工事現場で活躍する資格です。
担当する業務範囲は広く、発電設備、変電設備、送配電線工事などを管理し、施工計画の作成から品質管理まで責任を持ちます。また、公共工事の入札で経営事項審査の加点対象となる点も大きな特徴です。
2級電気工事施工管理技士とは
2級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、一般建設業の現場で専任技術者や主任技術者として働けます。一般建設業とは、請負総額が4,500万円未満(建築一式工事は7,000万円未満)の工事を指します。
業務内容は、施工計画作成、工程管理、品質・安全管理、発注者との調整など。さらに、工事にかかるコスト管理も担当し、電気工事全体を管理する役割を担います。2級を取得後、1級へのステップアップを目指す人が多いのも特徴です。
電気工事施工管理技士の受験資格

令和6年度(2024年度)から、電気工事施工管理技士を含む施工管理技術検定の受験資格が大幅に改正されました。
第一次検定は、1級が「満19歳以上」、2級が「満17歳以上」であれば、学歴や実務経験を問わず誰でも受験できるようになっています。
一方、第二次検定を受けるには、第一次検定の合格後に実務経験を積む必要があります。
1級では5年以上(特定実務経験を含む場合は3年以上)、2級では3年以上の実務経験、または「監理技術者補佐」としての1年以上の経験が求められます。
なお、新制度への移行に伴い、2028年度までは旧制度に基づいた受験も可能な「経過措置」が設けられています。
また、企業にとっても電気工事施工管理技士の有資格者が在籍していることは大きな強みになります。公共工事の受注に必要な「経営事項審査(経審)」で加点対象となり、技術力の証明にもなるためです。そのため、資格取得を支援する制度を導入している企業も少なくありません。
受験資格のイメージ図:
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電気工事施工管理技士の資格取得の難易度は?
電気工事施工管理技士の過去5年間の合格率を見ると、
1級は、
・第一次検定(学科試験):40~50%程度
・第二次検定(実地試験):60~70%程度
2級は、
・第一次検定:50~60%程度
・第二次検定:40~60%程度
となっており、全体として標準的な難易度と言えるものの、特に近年は受験者数の増加により難化傾向も見られます。そのため、計画的な学習が合格のカギになります。
試験内容は、電気工学や施工管理法、関係法規などの専門知識が問われます。
また、実地試験では、現場経験を基にした記述式の問題も出題されるため、「実務を文章化する力」も重要になります。
他の電気系資格と比較すると、電験三種よりはやや易しく、電気工事士と同程度の難易度ですが、施工管理に関する内容が加わるため、実務に近い試験構成が特徴です。
電気工事施工管理技士の平均年収は約496万~700万円
電気工事施工管理技士の年収は、雇用形態や保有資格、勤務地、年齢によって大きく異なります。
まず、正社員として働く場合、平均年収は約496万~554万円と、全国平均よりやや高めです。
特に1級の資格を保有している技士は、500万~700万円の年収が見込まれ、経験を積めばさらに高収入も期待できます。
一方で、派遣社員の平均時給は約1,800円、アルバイト・パートでは約1,200円程度と、雇用形態によって収入には差が生じやすい点も特徴です。
また、年齢によっても収入は変化します。
・20代:年収360万~480万円程度
・50代:年収580万円前後
と、年齢・経験を重ねるごとに収入は上がっていく傾向にあります。
さらに、地域差も大きな要因です。都市部(関東・関西など)では年収が高く、地方では比較的低くなる傾向があります。
このような点からも、電気工事施工管理技士として安定して働くには、正社員を目指すのが有利です。
福利厚生や昇進の機会が充実しており、資格と経験を積めば年収1,000万円を超える可能性もある、将来性のある職業と言えるでしょう。
電気工事施工管理技士の資格を取得するメリット
電気工事施工管理技士の資格を取得することで、以下のような複数のメリットが得られます。
1つ目は、転職市場での評価が高まることです。
この資格は業界内での需要が非常に高く、とくに1級の保有者は大規模工事の管理が可能なため、即戦力として歓迎されやすく、採用ニーズも安定しています。
2つ目は、収入アップにつながることです。
資格手当として月1~3万円を支給している企業も多く、さらに主任技術者や監理技術者といった責任あるポジションに就くことで、将来的に平均年収を大きく上回る収入を得る可能性も高まります。
3つ目は、将来性のある業種で活躍できることです。
再生可能エネルギーの普及や、スマートビルの建設需要が増えている今、電気工事関連の案件は今後も継続的に発注される見込みです。その中で、施工管理を担う技術者は引き続き必要とされるでしょう。
また、電気工事士(第一種)などの他資格と併せて取得することで、独立開業の道も開けます。
第一種電気工事士で住宅や小規模施設の電気工事ができ、施工管理技士で大規模案件の管理も可能になるため、受注可能な案件の幅が広がり、独立後の経営の安定にもつながります。
電気工事施工管理技士は電気工事を管理する技術者
電気工事施工管理技士の資格を取得すると、1級では大規模工事(特定建設業)における監理技術者、2級では一般建設業の主任技術者として活躍できるようになります。
具体的には、1級では発電設備や変電設備、送配電線の工事を統括する立場となり、2級では電気設備工事の施工計画の立案、工程・品質・安全管理などの業務を担います。
この資格を取得することで、転職市場での評価アップや収入の向上、将来性の高い分野で働けるといったメリットがあります。
さらに、電気工事士など他の資格と組み合わせることで独立開業も目指せるなど、キャリアの選択肢が広がる点も魅力です。
電気工事施工管理技士は、今後ますます必要とされる仕事です。建築や設備の仕事に興味があり、長く安定して働きたい方にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
将来を見据えたキャリアづくりの一環として、ぜひ取得を検討してみてください。
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