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2025/06/20

設備施工管理とは?仕事内容や必要なスキルについて解説!

設備施工管理とは?

設備施工管理とは、建築工事において、電気や配管などの設備を管理し、建物を利用する人が快適に過ごせる環境を整える仕事です。
ただ、「具体的にどんな業務をするの?」「現場ではどんな役割があるの?」といった疑問を持つ方も多いかもしれません。
この記事では、設備施工管理の仕事内容や求められるスキル、資格について、初心者にもわかりやすく解説していきます。

設備施工管理の仕事内容

設備施工管理の仕事内容

設備施工管理の仕事には、大きく分けて「原価管理」「工程管理」「品質管理」「安全管理」の4つの柱があります。これらは「4大管理」と呼ばれ、どの現場でもとても重要な役割を担います。
また、これら以外にも廃棄物の管理や騒音対策、法令の遵守など、現場ごとに対応すべき業務は多数あります。この記事では、まず代表的な4大管理についてご紹介します。

原価管理

原価管理とは、工事の予算を守りつつ、利益を出すために費用をコントロールする仕事です。資材費・人件費・外注費など、さまざまなコストを細かく計算していきます。
例えば電気設備工事では、分電盤の配置を考えたり、銅線の価格が上がった場合は別の材料に切り替える判断が必要です。また、予算を抑えるために人員配置を見直すこともあります。

大規模な工事になるほど、ほんの少しのコスト超過が全体の利益に大きな影響を与えるため、原価管理はとても大切な業務です。

工程管理

工程管理は、決められた工期内に工事を終わらせるため、スケジュールを調整しながら作業を進める仕事です。
現場では資材の納品が遅れたり、天候の影響で作業ができない日もあります。そうしたトラブルにも柔軟に対応し、スケジュールを調整するのが施工管理の腕の見せどころです。
また、電気や配管、空調などの設備工事がぶつかってしまわないよう、作業の順序をうまく組むことも大切なポイントです。

品質管理

品質管理は、設計図や仕様通りに工事が行われているかを確認する仕事です。設備の強度や耐久性に問題があると、事故や故障のリスクが高まってしまいます。
例えば、配管の取り付けにゆがみがあれば水漏れの原因になることもあります。そうしたミスを防ぐために、作業前後のチェックを徹底し、問題があれば早めに対処することが求められます。
品質管理をしっかり行うことで、やり直しによる追加費用や工期の遅れも防ぐことができます。

安全管理

安全管理は、現場で働く人たちの命と健康を守るための重要な仕事です。建設現場では高所作業や重機の使用も多く、常に危険と隣り合わせです。
事故を防ぐために、作業前には「危険予知活動(KYK)」でリスクを洗い出したり、足場の点検や整理整頓を徹底します。また、未遂事故などの「ヒヤリ・ハット情報」を共有して、現場全体で安全意識を高めることも重要です。

設備施工管理と施工管理の違いとは?

設備施工管理と施工管理の違いは、「専門とする分野」「管理する範囲」にあります。

設備施工管理は、建物の“中身”となる電気・空調・配管など、快適な環境をつくるための設備工事を専門に管理します。一方、施工管理は建物そのもので、基礎工事から壁・屋根などの仕上げまで、建築全体を統括する立場です。

どちらも「工事を管理する仕事」ではありますが、求められる知識やスキル、資格には違いがあります。それぞれの分野に応じた専門性が必要です。
両者は管理の意味では同じですが、必要な技術や資格は異なっています。

・施工管理の仕事について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
内部リンク:記事「施工管理の仕事内容」を挿入

【設備別】設備施工管理の仕事内容

【設備別】設備施工管理の仕事内容

設備施工管理が携わる建設設備には、主に「機械設備」「電気設備」「配管設備」「通信設備」「空調設備」「消防設備」の6つがあります。ここでは、各設備の仕事内容について解説します。

機械設備

機械設備では、エレベーターや空調、配管システムなど、建物の機能性や安全性に関わる装置を扱います。設備施工管理の仕事は、これらの設置や調整を現場で監督し、品質・工程・原価・安全をバランスよく管理することです。
例えば、プラントや昇降機の工事などでは、専門知識や危険管理のスキルが特に重要とされます。現場では設計図の確認だけでなく、作業員への指示や他業種との調整も求められます。

電気設備

電気設備では、建物の電気に関わる工事を、計画から完成まで一貫して管理します。具体的には、配線や分電盤の設置、コンセントの位置確認などを行います。
最近では、太陽光発電やネットワーク配線など、多様な電気設備が組み合わさる現場も増えており、広い知識が求められる分野です。

配管設備

配管設備では、水道・排水・ガス・空調など、さまざまな配管に関する工事を管理します。
用途ごとに適した材質を選び、配管のルートを決め、安全性と法令を守りながら工事を進めます。給排水の勾配調整から、冷媒や高圧ガスの特殊配管工事まで、幅広い現場に関わることが特徴です。

通信設備

通信設備では、インターネットや電話などの通信インフラが問題なく使えるように、工事全体を管理します。
具体的には、光ファイバーの敷設や無線基地局の設置、安全対策や通信の安定性確保など、多岐にわたる作業を担当します。現代の生活に欠かせない通信を支える、重要な分野です。

空調設備

空調設備は、室内を快適な温度・湿度に保つための設備に関わる工事を管理する仕事です。
エアコンや換気設備の取り付け、冷媒の充填などをはじめ、安全対策やコスト管理も含めて、全体のバランスを見ながら現場を動かしていきます。

消防設備

消防設備では、消火器・スプリンクラー・避難設備などの設置や点検工事を行います。
この分野の工事は、消防法により「資格保有者しか扱えない」と定められており、甲種・乙種といった専門資格も必要です。工事に関する書類の提出や、消防署の検査対応なども、施工管理の大事な業務に含まれます。

設備施工管理の仕事をするには?

設備施工管理の仕事に就くには、主に次の3つの方法があります。

① 専門学校や大学で学ぶ

1つめの方法は、専門学校や大学で建築設備や機械工学を学ぶことです。とくに、消防設備や防災システムを学べる学科を選ぶと、仕事に必要な知識をしっかり身につけられます。
例えば、火災安全工学などの授業を通して、設備施工管理に役立つ基礎を習得できます。

② 求人に応募する

2つめは、企業の求人に応募する方法です。建設業界は人手不足が続いており、多くの企業が積極的に人材を募集しています。
とくに、資格を持っている方はすぐに戦力になるため、採用されやすい傾向があります。

③ 関連職からキャリアチェンジ

3つめは、電気工事士や配管工など、設備に関わる仕事からキャリアチェンジするルートです。
現場での実務経験が2年以上あれば、消防設備に関する国家資格の受験資格が得られるため、転職やスキルアップにつなげやすくなります。

未経験でもチャレンジできる!

設備施工管理は、未経験でもスタートできる仕事です。実際、多くの企業では教育体制が整っていて、入社後は比較的かんたんな作業(たとえば資材のチェックなど)から始め、3〜6ヵ月ほどのOJTで実務スキルを学んでいきます。
OJTでは、施工図の読み方や工程管理の考え方、火災報知器・消火設備などの基礎知識を丁寧に教えてもらえます。

資格があれば収入・転職にも有利

未経験から始めても良いですが、資格を持っていれば、年収アップや転職にも有利になります。企業によっては、2~5万円ほどの資格手当が支給されるところもあり、資格保有者のニーズも年々高まっています。
とくに保有しているとよい資格は次の5つです。

・電気工事施工管理技士:電気工事の工程・安全管理に関わる資格
・管工事施工管理技士:空調/給排水設備の施工管理に関わる資格
・電気通信工事施工管理技士:通信設備の施工管理に関わる資格
・消防設備士(甲種4類):自動火災報知設備など消防設備に関わる資格
・建築設備士:空調や給排水、電気など建築設備全般に関わる資格

各資格の概要は以下の表をご覧ください。

設備施工管理の各資格と概要

・電気工事施工管理技士について詳しく知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています。
内部リンク:記事「電気工事施工管理技士」を挿入

設備施工管理で求められるスキル

設備施工管理で求められるスキル

設備施工管理の仕事では、以下の3つのスキルがとても大切です。

・コミュニケーション能力
・タスク管理能力
・スケジュール管理能力

これらは、工期を守るだけでなく、安全に・効率よく仕事を進めるためにも欠かせません。

コミュニケーション能力

設備施工管理は、施主(建物の持ち主)や設計士さん、現場の作業員、協力会社など、たくさんの人とやり取りしながら進める仕事です。
現場では、ちょっとした伝達ミスが事故の原因になることもあるため、関係者としっかり連携を取る力がとても大切です。

タスク管理能力

電気の配線工事や給排水のチェック、消防設備の試験など、設備施工管理の仕事は幅広く、同時進行の作業もたくさんあります。
そのため、「どの仕事をいつ、どこから始めるか」といった優先順位を整理して、スムーズに進めるスキルが求められます。

スケジュール管理能力

建築工事と並行して進める設備工事では、天候や資材の遅れなど、予想外のトラブルがつきものです。
そういった場合でも、冷静に全体のスケジュールを見直して、無理のない計画に立て直す力が必要です。

そのほかにも、役立つスキルはたくさん!
上記の3つに加えて、以下のようなスキルも今では重視されています。
・危機管理能力:作業員の安全を守るための判断力
・ITスキル:スケジュール管理や進捗報告に使うツールを操作する力

どんな人が向いている?

設備施工管理の仕事に向いているのは、たとえば次のような人です。

・責任感が強く、最後までやりきる力がある
・計画を立てるのが得意
・安全やルールをしっかり意識できる

こういった特性がある方は、現場で活躍できる可能性が高いでしょう。

設備施工管理は建物の“快適さ”を支える仕事

設備施工管理とは、建物の中で人が快適に過ごせるように、電気や空調、配管、通信、消防設備などを計画・管理する仕事です。
設計から工事、完成まで幅広く関わり、必要に応じて資格を取得することで、できる仕事の幅もどんどん広がっていきます。

現在、建設業界では人手不足が続いており、設備施工管理の需要もどんどん高まっています。将来性もあり、長く働ける仕事なので、「建物づくりに関わってみたい」という方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?

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この記事の執筆者

建設人材バンク編集部
建設、設備業界専門の転職エージェントサービス「建設人材バンク」の編集部です。建設、設備業界の転職に役立つ情報をわかりやすくまとめてお届けします。
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